芸能界の闇は深い。
きっと僕たちの想像のつかないところで汚いこと、いやらしいことが秘密裏に行われている業界。そのような認識は、悲しいけど日々のニュースなどで自然と目にしてしまっています。
芸能界でどれだけの人たちが悲しんでいるか。苦しんでいるか。
話題の『全部、言っちゃうね。 ~本名・清水富美加、今日、出家しまする。』を読みました。
内容紹介
※本書は、2月11~14日に
医師の立ち会いのもと、
4回にわけてインタビューした
内容を編集したものです。【緊急告白】
死にたかった7年、
死ななかった7年。一連の騒動の真相は? 幸福の科学って?
せっかく人気女優になれたのに?
友だちや仕事でお世話になった人、
そして心配してくれるたくさんの人たちへ。
すべての疑問に、自分の言葉で答えました。
著者について
千眼/美子
本名・清水富美加。1994年12月2日生まれ。東京都出身。13歳で「レプロガールズオーディション2008」グッドキャラクター賞を受賞。雑誌「ラブベリー」専属モデルとして本格的に芸能活動をスタートする。2011年「仮面ライダーフォーゼ」のヒロイン役に抜擢され、2015年にはNHK連続テレビ小説「まれ」で主人公の同級生役を好演した。女優・タレントとして、テレビや映画、CM、ラジオ、舞台など多方面で活躍。2017年2月、幸福の科学への出家を宣言し、千眼美子の法名で宗教活動を行うことを明らかにした
真実は分からないけれど
今回の芸能界引退の裏で起こっていた様々な出来事をメディアは報道しました。
清水さん側の言い分と事務所側の言い分が大きく食い違っている部分が多く、いったいどれくらい本当のことが伝えられているのかは分かりません。
また今回の出版に関しても、芸能界引退→暴露本出版の流れが華麗すぎるくらいスムーズに行われていたので、「ビジネス引退」などとも囁かれました。
何が真実で、何が嘘なのか。真相は当事者たちのみぞ知ることとなるのでしょうが、芸能界というのは、素人から見てみると決して明るい業界とは言い難いかなと思います。
タイミングについて
「なぜ今なの?」とも言われますが、それは今やめないと、ほんとに死にそうだったからです。いい現場だったとか、いい現場じゃなかったとかそういうことじゃなくて、今まで「死にそう」っていう気持ちは、だれにも拭ってもらえなかった。”人”ではダメだったんです。私が命をなくさないために、私が命をなくさないためだけに、ここまで守ってくださったのは、魂の奥底から信じていた神様でした。
僕も仕事をやっていて、辞めたいと思うことは何度もありました。実際に転職を経験したことから、仕事の辛さというものを、度合いはともあれ僕も知っています。
本当に辛くて、でも辞められなくて一人で抱え込んでしまい、ふと身近に「死」を感じてしまうこともあるでしょう。
悲しい事件として「電通」というキーワードが記憶に新しいです。
体力ゲージが緑から黄色になり、そして最後は赤になって、ゲージを振り切ってしまえば人生のゲームオーバー。
清水さんは常に赤ゲージで芸能界を生き抜いていたのかなと思います。
多くの仕事と責任を抱えたままの芸能界引退で、批判的なコメントが多く寄せられました。一般からの声もそうですが、同業の人たちからも、仕事はやり遂げてから辞めた方がよかったなど、今回の芸能界引退にマイナスのイメージを持っている人が多いように感じます。
しかし「死」が身近に近づいているそのときに、仕事は命よりも優先すべきなのか。その判断を下すのは周りの人間ではなく、自分自身なのではないかと思います。
本の内容を読んでいても、事務所側が手を差し伸べたという表現や、誰かが助けてくれたという話も一切出てきませんでした。
清水さんを救ったのは、人ではなく神様、つまりは宗教(幸福の科学)だったわけです。
内容は薄いが
衝撃の引退を機に発行された暴露本ですが、正直に申し上げて、内容は濃くはなかったです。全体を通して「仕事が辛かった」という感想がずらーっと綴られている印象でした。
内容が薄かった、つまらなかったというレビューもいくつか見ましたが、僕も同感です。本当にもったいないなと思いました。
「15歳から死にたかった」という強烈な一文がとても印象に残っていて、僕より年下の彼女が七年間も「死」を意識して生きてきたことがとてもショックでした。だからこそ、この本はもっと深いところまで書くべきだったと思うんです。
事務所も去り、「幸福の科学」への出家もした清水さんは、言ってしまえば失うものは何もないはずです。
それならばなぜ、このような薄く、軽い内容で、しかもこのタイミングで暴露本などを出してしまったのか。本当にもったいないと思います。
ここにも汚い大人が関与しているのかな?
ずるい大人たちが彼女をそそのかして、このタイミングで本を「ビジネス的に」出版させたのかな?
そう思わざるを得ない内容でした。
軽すぎた内容に怒り
本の内容は、人の心を打つには軽すぎました。芸能界を変えるつもりで書いてあるのかなと期待しましたが、とても残念です。
辛くて苦しくて「死」を七年間背負い続けた彼女の文章には、(笑)が多様されていて、違和感を抱えながら本を読みました。しかもページ数も少なく、文字も大きいので、ぶっちゃけ立ち読みで読み終えることもできます。
最後にもうひとつ。
本当に悲しいなと思ったのは、まえがきとあとがきに書かれている彼女の直筆メッセージです。
文字があまりにも汚すぎた。文体も幼い。これが本当に悲しかった。
ろくに学校にも通えず、通信制の学校に転校したとも書かれていましたが、芸能生活が多忙で勉強する時間もなかったようです。
どうかこれから彼女に様々な学びの場が与えられることを願います。年も近いので、これからの人生をまっとうに幸せに歩んで欲しいと思います。
同時に、これ以上若い人たちを苦しめる業界、ビジネスが発展しないことを祈ります。
それではまた!