超大ヒットドラマの原作。サラリーマン必読!『下町ロケット』感想【18冊目】

ゴールデンウィークは以前からやりたいと思っていたことをちょっとずつ実現させるように過ごしています。「読もうかな、どうしようかな」と思っていた本をようやく読むことが出来ました。

それが池井戸潤先生『下町ロケット』です。

ドラマも大流行しましたね。僕の性格上、流行っているものにあえて乗らないというあべこべな性質のため、まったく触れてきませんでした。『池井戸潤』と書かれた作品を手に取るまでに結構時間がかかりましたが、読んで正解。間違いありませんでした。

 

内容紹介

主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。
一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。
帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。
そうした中、企業調査がスタート。厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる。

サラリーマンに響く名言が多い作品

下町ロケットでは、ロケットの部品作りに全力をかけて挑む男たちの情熱が伝わってくる作品です。同時に仕事に対する名言も数多く書かれていますので、一部紹介します。

 

「勘弁してもらいたいのはこっちだ、支店長」

佃はいった。「あんたたちから投げつけられた言葉や態度は、忘れようにも忘れられないんだよ。傷つけたほうは簡単に忘れても、傷つけられたほうは忘れられない。同じ人間として、私はあんたをまるで信用できないんだ。あんたもな、柳井さん」

担当はぎくりとして唾を呑み込んだ。「自分の都合のいいときだけすり寄ってくるような商売はよしてくれ。いいときも悪いときも、信じ合っていくのが本当のビジネスなんじゃないのか」

 

物語前半から窮地に追い込まれる佃製作所。主人公の佃航平は迫りくる困難に必死に立ち向かいます。自社製品のプライドをかけて、さまざまな企業に食ってかかります。最後には大逆転が待っているのですが、大企業のプレッシャーに立ち向かう彼の姿がとてもかっこよかった。

 

会社の利潤だけを追い求めるのではなく、いいときも悪いときも、信じ合っていくのが本当のビジネスだという言葉にハッとさせられました。

 

本当の仕事とはなにか

 

「俺はな、仕事っていうのは、二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は、飯を食うためだ。必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。だけど、それだけじゃあ窮屈だ。だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。それが二階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。お前だって、ウチの会社でこうしてやろうとか、そんな夢、あったはずだ。それはどこ行っちまったんだ」

 

ロケットを打ち上げたいという、途方もない夢を掲げる佃に、反感を訴える部下に対して佃が言ったセリフ。仕事を家に例えて諭したセリフに思わずなるほどと言ってしまいました。

仕事には食べていくための「金」が必要です。しかし「金」だけが手に入っても仕事は続きません。一緒に「夢」「情熱」を持つことで初めて仕事として成り立つのだと思います。

 

佃製作所のスタッフたちはみなそう言った「夢」や「情熱」を忘れていない人たちばかり。

反して、訴訟をふっかけてくるナカシマ工業帝国工業などの大手企業にそういったものを持ち合わせている人はいませんでした。自分たちが得をすれば、相手はどうなってもいい。いやらしいほどに魂胆が見え見えでした。

『下町ロケット』では、ビジネスにおいて、正しさとは何かを考えさせられる作品だったと思います。

 

まとめ

宇宙やロケットなどの専門的な知識がないため、ほとんどの部分は理解できないまま読み進めてしまいましたが、それでも『下町ロケット』は面白かった。素人でも読みやすかったと言ってもいいでしょう。

大企業の汚い戦略に、自社製品のプライドをかけて闘う中小企業という構図が、読んでいるこちらも胸が熱くなりました。

登場人物が多かったので、頭の中でこんがらがらないように、ドラマの公式ホームページを開いて、人物相関図と照らし合わせて読みました。実写化されている作品であればこういうことが出来るんですよね。

佃社長は阿部寛が、財前部長は吉川晃司が、その他キャストが頭の中で動き回ります。

 

胸が熱くなり、クライマックスでは思わず目頭が熱くなりました。仕事に全力を捧げるサラリーマンにオススメの一冊です。

ドラマ版も見てみようかなあ。

 

それではまた!