多額の負債を抱えたホテルを立て直したたった一つの方法『地域でいちばんピカピカなホテル―――「人も施設も輝き出す」すごい仕組み』感想【12冊目】

僕はごく稀にビジネスホテルを利用することがあるのですが、あまりホテルスタッフの方に期待したことがありません。値段もリーズナブルだし、値段相当のサービスしか受けられないものだと、そういうものだと思っていました。

今日は『地域でいちばんピカピカなホテル―――「人も施設も輝き出す」すごい仕組み』という本を読みました。廃業寸前だったホテルをどのようにして立て直したのか、その具体的方法が書かれています。

読み終わった後、日本のすべてのホテルが、この本に書かれているホテルのように素晴らしいサービスを展開できればいいなと思いました。

 

内容(「BOOK」データベースより)

挨拶、掃除、電話の質向上に取り組んだだけで、スタッフ、施設、そしてお客様がピカピカ、ニコニコ輝き出した!お客様の声を集める、挨拶、掃除、電話を徹底する、新規のお客様をリピーターにする―すごい仕組みを大公開。

 

著者について

宝田圭一(たからだ・けいいち)
株式会社川六代表取締役社長。
1962 年兵庫県神戸市生まれ。香川大学経済学部卒業後、製薬会社勤務ののち、1989 年川六入社(27 歳)。2000 年代表取締役就任。2002 年免震構造採用の「エルステージ館」を新築オープンし、旅館から宿泊特化型ビジネスホテルに業態変更(ホテル川六エルステージ高松)。慢性的な赤字体質から高収益企業へと変化を遂げる。2011 年エクストールイン熊本銀座通オープン(県外初進出)、2013 年エクストールイン熊本水前寺オープン、2016 年愛媛県にエクストールイン西条駅前オープン、2017 年山口県にエクストールイン山陽小野田厚狭駅前オープン。
高松本社は、楽天トラベルアワード2012 年・シティ・ビジネス部門・中国・四国エリア金賞受賞、以後4年連続受賞中。熊本銀座通は、楽天トラベルアワード2012 年・シティ・ビジネス部門九州エリア銀賞受賞、以後4年連続受賞中。2015 年は、高松本社と熊本銀座通を合わせて楽天トラベルアワード驚異の5冠達成。
ビジネスホテル業態の業績不振ホテルの再生を得意とし、2011 年から5 年連続2 桁の売上成長、今後も中国・四国、九州に出店を加速する。

 

どん底→急成長を遂げたホテルの物語

本の帯文にはこう書かれています。

【昔】夏休みなのにお客様が8人

【今】稼働率90%超!
高松、熊本、愛媛県の西条、山口県の山陽小野田厚狭に、宿泊特化型ビジネスホテルを展開する、「株式会社川六」はまさにどん底にいました。多額の負債を抱えて、スタッフのモチベーションもなく、このまま廃業を待つばかりかと思われていました。

そこで取り組んだたった一つのことがあります。

それが「あいさつ そうじ でんわを徹底する」ということでした。

「あいさつ そうじ でんわを徹底した結果、大手ホテルにチェーンに負けない「地域いちばん」のホテルに成長しました。現在では
・香川県高松市「ホテル川六エルステージ高松」(291室)
・熊本県熊本市「エクストールイン熊本銀座通り」(183室)
「エクストールイン熊本水前寺」(108室)
・愛媛県西条市「エクストールイン西条駅前」(112室)
・山口県山陽小野田市「エクストールイン山陽小野田厚狭駅前」(115室)
の全5館の運営しています。

ではなぜこのホテルの業績がどん底になってしまったのか、その原因を探ります。

 

どん底になってしまった原因

1.トップが「現場の声」を聞かなかった

「ホチキス買っても、いいですか?」

驚いたことに、このホテルにはホチキスがなかったのです。本堀が以前、かつての上司に「ホチキスを買いたい」と頼んだところ、「お金がかかるからダメ」と断られたことがありました。

ホチキスひとつ買ってもらえない環境で、スタッフが力を発揮できるわけがありません。

私はその場でお金を渡し、本堀はすぐにホチキスを買いに行きました。

 

トップは目先のお金のことだけを考えていたのでしょう。ホチキス一つ買えないホテルだった川六は、トップが現場の声を聞くことはありませんでした。当然スタッフのモチベーションは下がりますし、「こうしたい!」というスタッフの気持ちを削ぐ結果となりました。

忘れがちですが、会社はスタッフの力があってこそ成り立つもの。そのスタッフの力が100%発揮されない限りは業績をあげることは難しいのでしょう。

 

2.トップが「方針」を明確にしなかった

私は、繰り返し、繰り返し、毎日、毎日、何度も、何度も、「川六の強みは接客である」ことをスタッフに伝えました。

そして、その強みを根付かせるために、「挨拶」「掃除」「電話」を徹底させることにしたのです。

 

川六を立ち直すために必要なお金は13億3000万円でした。とんでもない大赤字です。

まずこの危機感を共有するためにも、トップが方針を明確にする必要がありました。そこで実践したのは「挨拶」「掃除」「電話」の徹底です。

サービス業の基本ですが、方針を明確にするという意味では、まさに効果てき面でした。この3つの行動を徹底することで以下の業務改善が見られました。

環境整備を導入すると、業務改善のスピードがアップする

1.スタッフが素直になる

2.社長とスタッフ、スタッフ同士の価値観が揃う

3.感性が磨かれる

4.改善の習慣が身につく(PDCAが回りはじめる)

5.情報の整理・整頓・共有化が進む

 

元あった場所にモノを戻すということ。忙しくなるとつい忘れてしまうようなことを、何度も何度も繰り返し、社長自らがスタッフに伝えることで、価値観が共有されていきます。

そのほか、実施した施策が以下の通り。

1.「お客様アンケート」を回収し、サービスに生かす

2.経費をできるだけ削減する

3.旅行代理店への依存をやめる

4.「あいさつ そうじ でんわ」を徹底する

スタッフが徹底すべきところと、経営者として見直すべきところを全力で進めていきました。結果、廃業寸前のホテルが次々と再生する道を辿ることができました。

 

まとめ

僕も仕事では「挨拶 掃除 電話」は毎日しています。しかしこのホテルのスタッフたちのように全力で取り組んでいるのかというと、決してそうとも言えないと思います。

本を読み進めるとホテルの立て直しのために行ったのは「あいさつ そうじ でんわ」を徹底しただけ、ではないのですが、普段の仕事に対する姿勢を見つめ直すきっかけになりました。

たまに使わせてもらうホテルですが、スタッフのサービスというところに注目していきたいと思います。

 

それではまた!